⒈整骨院

整骨院のチラシ作成には、「柔道整復師法」による表現規制があります。柔道整復師の方ならご存知の人もいらっしゃると思いますが、広告に書いても良い事項が「柔道整復師法」には定められています。

【整骨院のチラシに掲載できること】

・開業者が柔道整復師の資格を持っていること

・柔道整復師の資格を持っている人の名前

・整骨院の住所や電話番号

・施術をしている時間・曜日（営業日・営業時間など）

・出張による施術ができること

・予約制であること

・駐車場があること

逆にいうと、ここに書いてある内容以外のことを掲載した場合、法律違反になってしまうというわけです。たとえば、エステサロンのチラシなどによく記載されているような、お客さまの声や写真、柔道整復師の経歴、施術でどんな効果が期待できるかなどを記載することはできません。また、「肩こり」などの症例名を出すことも認められていません。文章として記載できる内容にはこのようにかなりの制限がかけられているというわけです。

では、法令を遵守しつつ、他者との差別化がはかれるようなチラシを作るにはどうしたらいいのでしょうか。

その１：お客様に安心感を与えるような写真を使う

法令では、施術風景の写真掲載は禁じられています。

しかし「柔道整復師やスタッフの写真」「院内の様子」の写真の掲載はグレーゾーンなのでこれを利用しない手はありません。施術してくれる人の雰囲気や、施術する場所の様子などが分かると、お客様は安心すると思いませんか。院長の優しそうな雰囲気、綺麗で清潔な院内、笑顔の明るいスタッフなどの写真から、施術風景が想像しやすくなりますので、結果的に好印象を持ってくれるお客様は多いと思います。このような写真を上手に活用して、院の雰囲気を伝え、地元のお客様に安心感を抱いてもらえれば「あそこの施術受けてみようかな」と思って足を運んでもらえるはずです。

ただ、これらの写真はあくまで「グレーゾーン」です。掲載してはいけないと注意を受ける可能性もゼロではありませんので、利用する際には、表現の行き過ぎにはよく注意してください。

その２：チラシからホームページへ誘導する

整骨院で広告規制の対象となっているのは、以下のとおりです。

・「看板」等の院の外観

　・新聞折込やポスティング等で配布される「チラシ」

　・新聞・雑誌などに掲載した広告

　・インターネット上のバナー広告

　・リスティング広告など（有料で検索サイトの上位に表示される検索結果）

これを見る限り、ホームページは広告規制の対象にはなっていないともとれます。

つまりホームページになら、チラシで記載できなかった「お客様の声」「施術内容」「院の特長」「スタッフや院内の雰囲気」など、の情報を記載しても、法律違反とはならない可能性が高いというわけです。

チラシは基本情報しか掲載できません。あくまで院名を「認知」してもらい、チラシを見た人たち自身にホームページを検索してもらうための材料としてチラシを活用されることをお勧めします。昨今はホームページのQRコードもすぐ作成できますので、QRコードをチラシに掲載して簡単にアクセスしてもらえるような工夫も必要です。

このように、整骨院のチラシについては、院の魅力を伝えるために作成するのではなく、ホームページへアクセスしてもらうために作成することで、集客に非常に効果があると言えるでしょう。ただし、現時点ではホームページにまで規制は及んでいませんが、今後規制の対象となる可能性もあります。法改正があった際にはよく確認する必要がありそうです。

整骨院は、国家資格者が従事していますので、有資格者が故の禁止記載事項も多く存在します。国家資格を取得している場合は、どんなに実績や経験があったとしても、効果効能や施術技能については触れないコンテンツ制作が望ましいでしょう。

次回の記事では整体医院についてです。引き続きご覧ください。